小児心臓治療
こどもの心臓病について
うまれながらの心臓の病気は「先天性心疾患」と呼ばれています。「心臓病」と聞くと、とても難しい病気、珍しい病気と思われる方も多いと思いますが、日本では、生まれてくる子供の約100人に1人が、なんらかの先天性心疾患をもっているといわれています。つまり、こどもの心臓病は決してとてもめずらしい病気というわけではないのです。
ここでは、正常な心臓の働き、そして主な先天性心疾患についてその概略・治療などについて図解を用いて簡単に説明をしてありますので、理解の一助になれば幸いです。
「両心室循環」とある方は、手術によって血液の流れが基本的に正常と同じようになる疾患群の集まりです。
「単心室循環」とある方は、手術によって最終的にフォンタン手術を目指すようになる、「使える心室が一つしかない」疾患群の集まりです。
ただし、これらの分け方はあくまでも一般的に考えられるもので、例外もあることを付け加えておきます。また、最近では「one and one half (1と2分の1) repair」といって、静脈血のうち半分(主に下半身)だけ右室を通すという手術法が行われることもありますが、ここでは割愛します。
先天性心疾患は、同じ病気の名前がついていても、その症状、治療などは非常に多彩です。病名が同じでも治療が異なる場合もあります。もし、わからないこと、不安なことがある時は、担当の先生に質問して説明してもらうことが大事です。