診療の三本柱
小児重症救急
Todai PICUの目指していること
私達は「地に足をつけた臨床」「キャリアアップ教育」「小児集中治療医学の研究・発展」を三本柱として日本をリードするPICUを目指しています。東京都の東側を担う小児重症治療のセンターとして活躍し、救急科・外科系診療科と連携して、小児専門病院では対応困難なより幅の広い多くの症例に、患者によりそった診療をしています。一方で臨床だけではなく、長い医師人生において、それぞれにあったキャリアプランを具体的に一つ一つ進めて、「ただ単に小児集中治療ができるという表面的な医師」ではなく、「医師としてのアイデンティティーの一つとして小児集中治療が存在する医師」を育んでいきます。また科学としての小児集中治療医学を系統的に学問体系として学び、医学としての発展を体系化していきます。
私達は、「日本のモデルケースとして世界と競争できるPICU」を目指しています。
充実した臨床環境−東京都こども救命(東京都こども救命センター運営事業)−
東京の東側(東部ブロック)をまもるため、私達は東京都こども救命センター運営事業のTertiary
Centerとして活動しています。小児医療の最後の砦として、疾患・外傷を含んだどの様な病態にも対応しています。災害時には災害拠点とPICUが相互協力し、医療だけでなく災害時にも東京都の東側の大きな役割を担っています。
新PICUオープン(令和元年六月)
2001年に大学病院で初めて整備された東京大学PICUは、新たにその形を発展させて、最も先進的なPICUとして生まれ変わりました。考え抜かれたレイアウトと機能的な医療設備の元、専門医・専従医を配置し、全ての疾患に対応するオールラウンドな体制を整備しました。質の高い臨床を心地よいチームワークのもとで日々行っています。
診療実績
入室患者数
2019年 194例 (6月−12月)
2020年 312例 (1月−12月)
2021年 380例 (1月−12月)
2021年1月1日〜2021年12月31日
症例数 380例
内訳
心臓外科周術期管理 | 119例 |
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小児外科周術期管理 | 27例 |
脳神経外科周術期管理 | 15例 |
整形外科周術期管理 | 13例 |
肺移植 | 3例 |
こども救命受け入れ | 85例 |
急性脳症 | 5例 |
急性心筋炎 | 3例 |
ECMO | 8例 |
血漿交換 | 3例 |
教育
初期研修医、小児科専攻医を対象に、小児の救急外来における急変対応について、PALSに基づいたシミュレーションを月2回行っています。
研究
私たちは全員が臨床現場から自身の研究課題を見出し、日々研究に励んでいます。月2回、PICU内でResearchカンファランスを行い、それぞれの研究課題について論議し、よりよい研究が行えるように研鑽しています。また、臨床研究をサポートする学内システムは完備されており、適切なアドバイスを受けながら臨床研究を行うことが出来ます。
現在の研究テーマは以下の通りです。(一部抜粋)
- 松井 彦郎: 「PICUにおけるリスク評価体制の構築」「PICUにおける簡易眼底観察方法の確立」「ベッドサイドにおける動脈圧脈波の周波数解析による病態評価の研究」
- 林健一郎:「脳局所酸素飽和度を用いた脳自動調節能の評価」「スマートフォン倒像眼底鏡の開発と小児重症患者への応用」
- 前澤身江子:「急性心筋炎の原因ウイルスの同定」「体肺動脈短絡術周術期の肺血流量の評価」
- 太田英仁:「ハイフローセラピー下持続吸入療法の確立に向けた研究」「Computer visionを用いた,補助人工心臓EXCOR Pediatricの非侵襲的連続モニタリング手段の開発と検証」
- 内田要:「深部体温の持続モニタリング方法についての研究」「PICUにおける薬物離脱症候群の早期発見についての研究」