心臓病の手術について
BTシャント術
BTシャント術とは、外科医のAlfred Blalock博士と小児科医のHelen Taussigに よって1944年にはじめられた、鎖骨下動脈を肺動脈につないで肺血流を増やす手術です。当時は人工心肺もなく、多くの先天性心疾患のこどもたちがなすすべも亡くなっていきましたが、この手術によって多くのチアノ-ゼ性心疾患の子供が救われることとなりました。
現在は、鎖骨下動脈を肺動脈に直接つなぐ手術(original BT)はほとんどおこなわれませんが、鎖骨下動脈と肺動脈の間を人工血管につなぐ手術(modified BT)は、チアノ-ゼ性心疾患の子供に対する姑息術としていまでもよく行われています。
下図は、純型肺動脈閉鎖症に対するBTシャント術について示したものです。このように、動脈管がないと肺動脈に血液が流れない病気では、生後、プロスタグランジンという薬を使ってわざと動脈管を開けておいて、その後にBTシャント術をおこない、肺血流を確保します。