心臓病の手術について
肺動脈絞扼術(肺動脈バンディング)
肺への血流を制限するための手術です。
- 1)心室中隔欠損症
- 2)房室中隔欠損症
- 3)単心室
- 4)三尖弁閉鎖症
などの疾患に対して行われることがあります。
心臓は右室が肺に、左室が全身に血液を送り出します。 しかし、肺の方が血液が流れやすい(抵抗が低い)ため、右室と左室の間に交通がある場合(1,2)や単心室(3)や三尖弁閉鎖症(4)の場合、心臓から送り出される血液は、どんどん肺の方へ送られ、肺の血管は痛み、また全身へは血液が少ししか送られないようになってしまいます。
また、心臓は肺の方へたくさん血液を送らなければならないため、負担がかかります。これを防ぐため、肺動脈をわざと狭くすることによって血流を調整するのが肺動脈絞扼術(肺動脈バンディング)とよばれる手術です。
*心室中隔欠損症、房室中隔欠損症の場合は肺動脈絞扼術を行わずに最初から心臓の中を修復する手術を行うこともあります。しかし、体重が小さいときなどにこの肺動脈絞扼術を行って体重が増えてから心臓の中を修復することがあります。
単心室、三尖弁閉鎖症の場合も、心臓の中や肺動脈の形態などによって治療法は変わります。